パワハラが起こる職場の特徴(前編)

この記事はプロモーションが含まれています。

パワハラは終わらない

いつまでたっても、法律が改正されても、なくならないパワハラ。最近問題になっているビッグモーターの職場でも、管理職による日常的なパワハラがおこなわれていたそうです。ここ数年、上司のパワハラをきっかけにユニオンに加入する人も増えています。

上司から土下座を強要され頭を足で踏まれたとか、上司に殴られて鼓膜が破れ、PTSDとうつ病で出社できなくなったにもかかわらず、その事実を会社が隠蔽し、パワハラ上司は平然と出勤していたという話を、他のユニオンの組合員からも聞いたことがあります。

近年、ようやくパワハラ行為とその類型が法的に定義もされました。しかし、それでも会社にパワハラを認めさせたり、解決したりするのが難しいからこそ、未だに多くの人が泣き寝入りせざるを得ないという現状が、パワハラがなくならないことを証明していると言えるでしょう。

ところで、パワハラが起こりやすい職場にはいくつかの特徴があります。

私たちが相談を受けたものや、様々な場所で報告を受けたもの、そして何より『私たちが実際に体験し、克服してきた事例』を元に、述べていきたいと思います。

パワハラが起こりやすい職場の特徴

「今の職場は上司もいい人だし、みんな仲いいし、パワハラとか起こりそうにないけど?」と思われるかもしれません。

しかし、どんな組織も人が作るものです。上に立つ人間が変わる、人が入れ替わる、それによって雰囲気が変わっていく、というようなことで、変わってしまう可能性があります。

私たちの経験からしても、最初から「パワハラが起こりやすい職場にしよう!」と考えて組織や事業所が作られるわけもなく、以前はパワハラはなかったのにだんだんと変わってしまった、ということもよくあるのです。

そこで「今の職場はどうだろうか?」という視点からも、あるいは自分がうっかりパワハラをしてしまわないためにも、パワハラが起こりやすい職場環境とはどういうものか、見ていきたいと思います。

■ワンマン経営者や幹部の独裁が強い

パワハラが起きやすい職場は、必ずと言っていいほどワンマン経営者の力が強く、そうした経営者の意を汲んだ上級幹部による職場の独裁支配が行われているところが多いです。

こうした職場では経営者や上級幹部の命令は絶対で、部下を権力や恐怖で支配することが平然とおこなわれるので、管理職の部下へのパワハラが起きやすいと言えます。ビッグモーターの職場を見れば明らかです。

■閉鎖的で高ストレスな職場

会社の体質がブラックで、ブラック労働が日常的に行われていて、そこで働く人が常に高ストレスを感じている職場では、ストレス発散のため、職場でのいじめやパワハラが行われやすくなります。

また小規模な会社で人の異動がなく、毎日同じ顔ぶれで仕事をする職場や、外部からの人の出入りがほとんどない閉鎖的な職場でもパワハラは起こりやすくなります。

■明確な指導方針や指導方法がない

上司や先輩社員が後進を育成するに際して、指導方針や指導方法が不明瞭だと、どのような指導が望ましいのか、どのように指導したらよいのか分からず、いきおい過去の経験や個人の考え方で行うことが多くなります。

そのため、会社から認められている。実績を上げている。仕事に対する信念も情熱もある。というように、自分に自信がある上司ほど「自己流」で指導を行いがちです。

また「このような指導は行ってはならない」などの望ましくない指導がどういうものかが職場内ではっきり明示・共有されていないと、パワハラの余地が生まれる可能性がさらに高まります。

■評価や昇進の基準が曖昧

社内での評価や昇進の基準に客観性がなく不明瞭な場合、上司の腹ひとつで部下の評価が決まり、賃金などの待遇も変わってくるケースがあります。評価基準が曖昧な職場では「こんなことを言うと、上司の印象が悪くなる」「逆らっていると判断されると、評価で仕返しされる」といったような心配を部下は持ってしまいます。

また評価基準があっても、「積極的」「周囲に協力的」「会社の理念や方針に従って行動している」など、数値的・客観的に図ることもできず、個人の考え方やとらえ方で大きく変わってしまうものが基準になっていると、上司の性格や気分によって結果が変わることを恐れるあまり、上司への忖度が強まっていきます。

評価基準が曖昧で、部下の評価が上司の価値判断に委ねられている職場では、しだいに上司が「思い通りに職場を支配する道具」として「評価」を使い始めます。その結果、自分(上司)の指示に従わない人。自分が気に入らない、気が合わない人。自分とは異なる考え方の人へのパワハラが起こりやすくなります。

■職場内のコミュニケーション欠如

適切なコミュニケーションが欠如する組織では、社員同士や上司と部下の間で不信感が広がりやすくなります。こうしたコミニュケーション不在の職場では、上司が部下を思い通りに支配するために、社員同士を分断、孤立させることによって支配を強化しようとするケースが目立つようになります。

こうした職場では「私(上司)は強い権限を持っているので逆らうな」とか「私(上司)の指示・命令にのみ従え」という高圧的かつ一方的な指示が出されることが多くなります。

また「あいつとは話すな」「あいつの言動を逐一報告せよ」など職場の人間関係を破壊するような指示を出すこともあります。こうして上司の部下に対する不適切な言動や行動が増え、パワハラが起こりやすくなります。

後編に続きます。

皆さんの職場ではパワハラはありますか? それはどのような内容ですか?

パワハラ、セクハラ、職場のいじめで悩んでいる方がいれば、掲示版にご意見を投稿下さい。

フォローお願いします